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今月の健康

知っておきたい、放射線のこと(平成23年4月)

 東北地方太平洋沖地震による福島原子力発電所の事故発生以来、関連報道のたびに放射能汚染の影響に不安を感じている人が多いのではないでしょうか。しかし、このような時期だからこそ、正しい知識をもち、適切な判断ができるようにしたいものです。
 私たちは日常生活を営むなかで、大地や宇宙からの放射線によるもの、食べものとラドン(希ガスの一種で地中から放出される)の吸入によるものなどから、何もしていなくても年間2.4ミリシーベルトの放射線を浴びています。これを自然放射線と呼びます。関連用語も覚えておきましょう。放出されるエネルギーのことを「放射線」、放射線を出す能力を「放射能」、放射線を出すものを「放射性物質」といいます。そして、放射性物質が放射線を出す能力を表す単位を「ベクレル」、放射線による人体への影響の度合いを「シーベルト」で表します。
 自然放射線のほかにも、東京−ニューヨーク間を航空機で1往復した場合には0.2ミリシーベルト、胸部CTスキャンでは1回につき6.9ミリシーベルトの放射線を浴びます。問題は高濃度の放射線を短時間に浴びた場合です。500ミリシーベルトで血中のリンパ球が減少、7,000〜10,000ミリシーベルトで100%死亡するとされています。3月30日現在の福島県内で最も高い自治体の測定値は、1時間当たり0.00773ミリシーベルトで、胃のX線集団検診1回当たりの放射線量0.6ミリシーベルトと比較しても、これを十分に下回っており、県の災害対策本部では健康に影響ないレベルであるとしています。
 それでもできる限り被爆を抑えたいという人は、@屋内退避し、窓を閉め、換気扇やエアコンも止めて外気が室内に侵入するのを防ぐ、A外出時は水にぬらしたハンカチを口と鼻に当てる、マスクをする、肌を露出しない。雨に濡れない。汚染地域の作物は口にしないなどして体のなかに取り込まない工夫をする、B放射線が付着した服はビニールの袋に入れて口を縛り密閉し、髪や体をよく洗うようにするとよいでしょう。ヨウ素の入ったうがい薬やのどスプレーなどは、医師が処方する安定ヨウ素剤の代わりにはならないので絶対に飲んではいけません。
 今回の事故で水の買い占めや農作物の風評被害などがめだっています。水は福島県内で一時的に1リットル当たり308ベクレル(国の摂取制限の基準は300ベクレル)のヨウ素が検出されましたが、3月30日現在で7ベクレルまで低下し「安全」であるとされています。また、隣接海域においては、県が放射性物質の検査を行い、人が食べても安全であることを確認したうえで漁業を再開することになっており、野菜に関しても同様に、市場に出回っている野菜は検査で安全性が確認されたものです。今回、高濃度の放射性物質が検出されたホウレン草も、洗ったりゆでたりすれば放射性物質はかなり減り、仮に1年間毎日食べ続けるようなことでもなければ健康上の問題はないとされています。
 根拠のない情報に惑わされずに、確かな情報に基づき、一人ひとりが冷静かつ適切な対応することが大切です。自身の健康について心配がある方は、政府が相談窓口を設けていますので、こちらの窓口へ相談しましょう。
<問い合わせ窓口> 健康相談ホットライン 0120-755-199(受付時間:9:00〜21:00)