秋の気配とともに、インフルエンザの流行シーズンが近づいてきました。この時期は予防対策を始めるのに最適なタイミングです。2024〜25年シーズンの感染者は10月から増え始め、12月下旬から1月にかけて感染者数がピークとなりました。今シーズンも同様の流行パターンが予想されますので、早めに予防対策を始めましょう。
インフルエンザの特徴
インフルエンザは風邪とは全く異なる感染症で、重症化しやすいのが特徴です。38℃以上の高熱に加え、頭痛・関節痛・筋肉痛・ 倦怠感 などの全身症状が表れます。また、のどの激しい痛みや激しいせき、くしゃみ、鼻水などの症状もあり、近年は吐き気などの胃腸症状を伴うケースも見られます。さらに、風邪の症状は比較的ゆっくり発症するのに比べ、インフルエンザは感染すると急激に症状が表れるのも特徴の一つです。特に高齢者や乳幼児、ぜんそくなどの持病がある方は重症化するリスクが高いため、十分な注意が必要です。
ワクチン接種は流行前に
インフルエンザへの対策として、ワクチン接種による予防が欠かせません。インフルエンザの流行は例年12月ごろから始まり、12月下旬から2月にかけてピークを迎えます。しかし近年は流行開始が早まる傾向が顕著になっています。ワクチンを接種してから効果が表われるまで約2週間かかるため、流行が本格化する前の早めの接種をお勧めします。
ワクチンを接種したからといって、感染を完全に防げるわけではありません。しかし、ワクチン接種により発症リスクが40〜60%程度減少します。加えて、感染してしまった場合でも重症化を防ぐ効果が期待できます。これらの効果は接種後3〜5ヵ月ほど持続します。
特にワクチン接種をお勧めしたい方
インフルエンザは誰でも感染する可能性があります。なかでも、下記に該当する方は特に重症化するリスクが高く、積極的なワクチン接種をお勧めします。
- 65歳以上のご高齢の方
- 生後6ヵ月以上の乳幼児および12歳未満のお子様(通常2回接種を推奨)
- 基礎疾患(ぜんそく・糖尿病など)がある方
- 妊娠中の方
また、上記に該当する方と同居している場合も、積極的なワクチン接種をお勧めします。
ワクチン接種以外の予防策も忘れずに
インフルエンザから身を守るのはワクチン接種だけではありません。日常生活での予防策も忘れずに実施しましょう。
- うがい、手洗いを小まめに行い、外出時にはマスクを着用する
- 十分な休養とバランスの取れた栄養摂取を心掛ける
- 感染リスクの高い人混みはなるべく避ける
- 室内の湿度を40〜60%に保つ
- 室内を小まめに換気する
本格的な流行が始まる前に対策を
これからインフルエンザの流行シーズンを迎えます。家族や職場などの周りの人に感染させないためには、まず自分自身の感染予防が大切です。感染してしまったら、無理をせず速やかに医療機関を受診しましょう。特に高齢者や小さなお子様がいるご家庭では、家族全員でのワクチン接種と予防策の徹底が重要です。インフルエンザの流行を乗り切り、健康な毎日を送るために、今できることから始めてみましょう。