毎年6月4日〜10日は、「歯の健康週間」です。毎日忙しい日々を過ごしていると、改めて歯の健康についてじっくり考える機会は少ないかもしれません。ですが、歯の健康は、全身の健康にも深く関わっています。歯の健康週間を機に、歯の健康やケアについて考えていきましょう。
見直したい歯の日常ケア
毎日の歯磨き、何気なく済ませていませんか? 将来の歯の健康を大きく左右するのは、日々の小さな積み重ねです。歯は毎日使われているため、日常的なケアがとても大切になります。
●丁寧な歯磨き
食後30分以内を目安に、1本1本丁寧に磨きましょう。就寝前は歯ブラシだけではなく、歯と歯の間の汚れをしっかり落とす歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると、細菌の繁殖を防ぐのに効果的です。
●フッ素の力を活用
フッ素入りの歯磨き粉を選ぶようにしましょう。フッ素には、歯のエナメル質を修正し、虫歯の進行を抑制する効果があります。
●定期的な歯科検診
半年に一度は歯科医院で検診を受けましょう。プロによるクリーニングとチェックを受けることで、虫歯や歯周病の早期発見につながります。
「噛む」ことは全身の健康を支える力へとつながる
上記のケアを習慣にすると、自分の歯で長く噛み続けられることにつながります。「噛む」行為は、食べ物を細かくするだけではなく、以下のように全身の健康にさまざまな良い影響を与えます。
●消化吸収を助ける
咀嚼によって食べ物が細かく砕かれ唾液と混ざり合うことで、消化酵素の働きを活性化し、栄養素が効率よく吸収されます。
●満腹中枢を刺激
よく噛むことで、満腹中枢が刺激され、少ない量でも満腹感を得られやすくなります。
●脳を活性化
脳の血流が促進され、記憶力や集中力の向上に役立つため、認知能力の低下を防ぐといわれます。
●全身の筋力維持
しっかりと噛むことにより、顎の筋力が付き、首や肩の筋肉も使われるので、日々の咀嚼は全身の筋力維持にも関わると考えられています。
●ストレス軽減効果
咀嚼運動は精神を安定させ、「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促すという研究結果もあります。
80歳になっても20本以上の歯を保つための「8020運動」
「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存じでしょうか。「8020運動」とは、「(公財)8020推進財団」が「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という目標を掲げた、全国的な国民運動です。20本の歯があれば、ほとんどの食べ物をおいしく食べることができ、豊かな食生活を送ることができるといわれています。そのためには、日々の丁寧なケアは欠かせません。
「80歳なんてまだまだ先」と考えている方も多いと思いますが、実は80歳に向けての準備期間は、30代〜40代ともいわれています。だからこそ、歯の健康を守る習慣をしっかりと身に付けることが大切なのです。ぜひこの機会に、「8020運動」を意識して、歯の健康を守るための小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。