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「百害あって一利なし」タバコが与える悪影響(2025年5月)

 5月31日は「世界禁煙デー」です。世界保健機関(WHO)が1989年に「喫煙しないことが一般的な社会習慣となること」を目指し制定したもので、WHOが中心となって毎年テーマを設定し、世界に向けてメッセージを発信しています。

 日本では1992年から、世界禁煙デーに始まる5月31日から6月6日までの1週間を「禁煙週間」としています。厚生労働省による啓発活動のほか、各地でさまざまなイベントも開催されています。今年は「EXPO 2025 大阪・関西万博」で、「世界禁煙デー記念イベント2025 in EXPO」を開催します。

 副流煙による受動喫煙対策が強化された法律が2020年4月に全面施行され、5年がたちました。これを機に、喫煙が及ぼす体の悪影響について改めて考えてみましょう。

タバコに含まれる三大有害物質

 タバコに含まれる三大有害物質は、「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」です。それらの有害物質は体にさまざまな悪影響を及ぼします。

 ニコチンには依存性があり、一度体に入るとアルコールなどと同じように血液に乗って全身を巡り、脳に達して中毒状態をつくり出してしまいます。また、末梢(まっしょう)血管をはじめとした、全身の血管の収縮にも影響を及ぼすため、血圧、心拍数を上昇させて、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などのリスクを高めます。

 次にタールです。タバコには約70種類もの発がん性物質が含まれていますが、特にタールには数十もの発がん性物質が含まれています。タバコに含まれる発がん性物質は、タールと混ざることで化学反応を起こし、より発がん性が強まるといわれています。また、タールは一度体内に入ると、長期にわたり体内に残留し続けるため、体へ悪影響を及ぼします。その結果各種がんをはじめ、さまざまな病気を誘発するといわれます。

 タバコを吸うと、頭痛や目まい、吐き気などを感じることがあります。これは軽い「一酸化炭素中毒」を起こしている状態になります。一酸化炭素が体内に入ることで、酸素が正常に全身へ運ばれなくなってしまい、全身が酸素欠乏状態に陥るのです。タバコの煙に含まれている一酸化炭素の量は、環境衛生基準の許容量(人体の健康を害さない目安)の数千倍ともいわれています。

 喫煙による悪影響は、喫煙している本人だけの問題ではありません。近くにいる人が吸ってしまう副流煙による「受動喫煙(二次喫煙)」や、タバコの火が消された後も残留する化学物質を吸ってしまう「残留受動喫煙(三次喫煙)」の影響を受けてしまいます。特に副流煙には喫煙者本人が吸う主流煙より多くの有害物質が含まれています。

 まさに『百害あって一利なし』といわれるタバコ。自分の体のことだけでなく、大切な人を守るためにも、いま一度、喫煙について考えてみてはいかがでしょうか。